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Letters of Recommendation

出願者が思っているより、審査する欧米の教授は推薦状に重きを置きます。内容や形式や必要通数などを知る前に、誰に推薦者になってもらうか、推薦者の選び方に注意が必要です。即ち、誰に推薦状を書いてもらうと合格に有利になるのかを重点的に考える必要があります。

 

推薦者の選び方

推薦状について(LSAC経由の場合)

  1. 推薦者の登録
  2. 氏名や住所やメールなど
  3. 通数と宛先
  4. GeneralかTargeted
  5. 推薦状作成依頼用紙(Letter of Recommendation Form)のダウンロード
  6. 依頼用紙の入力と署名
  7. 推薦状の内容の相談
  8. 郵送方法の指示

推薦状について(LSAC経由以外の場合)

Harvard

推薦状の内容と形式

 

 

文責:岩崎 無料カウンセリング Top↑

 

 

<推薦者の選び方>

 

カウンセラーと受講生は一緒に、履修科目・学歴・職歴・活動歴・Statementの内容・プログラム 終了後のCareerなどを考えて、推薦者を選びます。即ち、誰に何をどう内容で具体例を出して書いてもらうかの案分をする必要があります。また、通常、複数の推薦者の候補が考えられますので、推薦者の

  • 学 歴
  • 職 歴
  • 研究歴
  • 学会歴
  • 受賞歴
  • 活動歴
  • 留学歴
  • 海外歴
  • 転職歴

などを把握して最適な推薦者を選び出します。また、推薦者に連絡を取り、どう依頼し、処理していくかをカウンセラー一緒に考えます。最初に依頼する時点で問題を抱えると大変です。推薦者になり得る候補は以下の通りです。

 

まずは教授です。ロー・スクールのLL.M.プログラムの出願には教授からの推薦状が「ほぼ」必須となっています。「ほぼ」と言っているのは、過去に教授からの推薦状が無くても合格した受講生がいました。弁護士であれば司法研修所の教官から推薦状をもらうことが考えられるのですが、会社の法務部員でした。ゼミを取っておらず、その上、一般教科の教授からの推薦状もらえなく、法務部の上司からの推薦状だけでも上位校ギリギリに合格しました。

 

教授の場合、推薦状を書くにあたり明確なポリシーを持っておられる方もいますので、最初の接触と依頼方法を慎重にしましょう。周りの情報を集めてから一緒にアプローチを考えましょう。学部は違いますが、明確なポリシーで良く知られているのは、元東京大学の経済学部の教授で現一橋大学大学院の教授である林文夫教授です。林先生の推薦状のポリシーlinkです。勿論、気さくな教授も数多くおられますし、以前ほど推薦状に署名することにこだわらない教授も多くなっています。

 

教授や教官に比べると、同じ事務所のパートナーや先輩、法務部の部長や上司、会社の顧問弁護士などは依頼方法や書いてもらいたい内容など比較的楽です。ただし、かたくなな上司もいます。職場内外に関わらず、推薦状を書いてもらうことで、貸し借りができる可能性がある場合も注意して下さい。出願するプログラムの卒業生からもらうのも良いオプションです。しかし、その卒業生と一緒にプロジェクトに関わったなど、それなりの内容のある接点がないと、推薦状の内容がスカスカになり、かえってマイナスですから注意して下さい。

 

なお、通常、推薦状は最低2通で3〜4通まで提出できます。ただし、多ければ良いということには決してなりませんから、2通以上提出する場合は良く考えて下さい。ColumbiaもLSACのApplication上では2通Requiredで3通Acceptedと言っていますが、3通目を出すにあたり、Columbiaのウェッブ上で

Please do not submit more than two letters. Part of compiling a strong application for admission is determining which two recommenders are best able to evaluate your ability to pursue and succeed in graduate legal studies. In very rare circumstances, applicants may feel they have a compelling reason to submit an additional letter of recommendation.

 

推薦者の選ぶのに困った場合は無料カウンセリングを受けて下さい。

 

 

 

文責:岩崎 無料カウンセリング Top↑

 

 

<推薦状について LSAC経由の場合>

 

Application (出願願書)やTranscripts (証明書)をLSACを通じて送るように、推薦状もLSACを通じて送ります。LSAC CASにすでに登録しており、かつ、推薦者がすでに決まっていることを前提とします。処理方法は以下の通りです。Directionslinkを熟読して下さい。

  1. 推薦者を登録する

  2. 姓名、住所(通常は勤務先)、職場電話番号、職場メールなど

    Professor Taro Yamada

    Faculty of Law

    Surugadai University

    698 Azu

    Hanno, Saitama 357-8555

    Japan

    Japan-81 42-972-1111

    taroyamada@surugadai.ac.jp

     

    Mr. Jiro Tanaka

    Tanaka & Jefferson Law Office

    1-2-3 Uchisaiwaicho

    Chiyoda-ku, Tokyo 254-5678

    Japan

    Japan-81 3-3838-0488

    jirotanaka@tjlawoffice.co.jp

    メールのアドレスをgmailやhotmailなどのフリーメールを使用すると偽造と疑われる可能性がある。

  3. 作成してもらう推薦状の「通数」と「宛先」を決める(通数は後で変更可能)

  4. 宛先はGeneralTargetedかのどちらか(Directionslinkを再度熟読のこと)

    1. Generalなら1通で、どのスクールにも使用する。添付する推薦状の宛先(inside address)は無く、かつ、推薦文にはスクール名は入れない。特定のスクール宛に作成するものではない。どこのスクールにも通用する一般的な形式。

    2. Targetedなら、例えば、上司が卒業した特定のスクールに使用し、推薦状の宛先には以下のようなinside addressを入れる。

      Office of Graduate Admissions
      NYU School of Law
      139 MacDougal Street
      Suite C-10
      New York, NY 10012-1301

      文中には New York University School of Law、もしくは NYU School of Law、もしくは School of Law, New York Universityなどのスクール名を入れる。

    3. Generalなら推薦者は1通作成するだけなので楽で、Targetedなら住所とスクール名を通数分だけ変える必要があるので手間がかかる。どちらにするかは出願者と推薦者の判断。教授によってはGeneral1通しか署名しないという方もおられる。

    4. なお、GeneralとTargetedだからどちらが審査上有利なのかという質問を受けるが、どちらでも有利不利は無い。無いというより無くなったというほうが正確。LSACのCASがLLMプログラムの出願に採用される前は、各プログラムへ推薦状を送っていたのでTargetedにならざるを得なかったが、CASの導入後は推薦状はLSAC経由で送られるので、Generalが通常となった。実際、LSAC
      It is not necessary for the recommender to address each letter to a specific school. If you are applying to five schools and the content is identical for each letter, the recommender need submit only one letter addressed to “Dear Admission Committee.” Do not have the recommender submit five separate letters. This creates unnecessary work for your recommender and may delay processing of your letters.

      文責:岩崎 無料カウンセリング Top↑


  5. 登録した推薦者の必要通数分の数だけ推薦状作成依頼用紙(Letter of Recommendation Form)をダウンロードする 。推薦状作成依頼用紙は入力ができるフォームフィールドが含まれているPDFファイル。

    教授と上司の2名にGeneralな推薦状を依頼するのであれば

    Prof. Taro Yamada L1 For All Law Schools
    Mr. Jiro Tanaka L2 For All Law Schools
     

    教授にGeneral1通と上司にGeneral1通と卒業校のTargeted1通の推薦状を、例えば、New Yorkに依頼するのであれば

    Prof. Taro Yamada L1 For All Law School
    Mr. Jiro Tanaka L2 For All Law School
    Mr. Jiro Tanaka L3 For New York University Law School

     

    注意:Targetedの場合、入力できる文字数は30 charactersまで


  6. ダウンロードしたPDF形式の推薦状作成依頼用紙(Letter of Recommendation Form)は入力ができる(fillable)形式なので、出願者の署名の横にある日付、推薦者との関係、知己期間(年数)の3箇所に入力してから印刷する。印刷後、権利放棄する内容を読んでから、署名をする。 日付は勿論手書きでも良いし、推薦者が本来記入する関係と期間を推薦者に手書きしてもらっても良い。なお、Formは推薦状ではなく推薦状作成依頼用紙なので、推薦者が署名する欄はない。注意:2015年8月にElectronic LoRが導入されて以降、出願者の署名と日付はなくなった。

    recomsaple

  7. 推薦状の内容を相談する。
    1. 推薦者に会って推薦状の内容を打ち合わせる。
    2. 慣れている教授は会う必要はないので、今後の段取りや書いて欲しい内容をメールで送ってくれれば良いと言われる場合もある。
    3. 会う前にゼミの内容、取り上げた判例や規制、使用した教科書や副読本、当時の時流や出来事、大学卒業後の職歴や職務や関わったプロジェクトなどを思い出して、整理し、リストアップしておくことが大切。
    4. 留学することになった経緯や留学先で勉強したい分野など説明する。
    5. (できていたら)Personal Statement(PS)が見せるか先にメールで送っておく。だだし、Academic Backgroundの箇所はブランクでしょう。これから相談するんですから。
    6. 推薦状の内容を打ち合わせる。
    7. 推薦状は必ずレターヘッド(英文便箋)を使用してもらう。
      U. of Tokyo Letterhead Kyoto U. Leterhead Hitotsubashi
      Keio Univ. Letterhead Chuo Univ. Letterhead

      現在は印刷された用紙で英文便箋を用意している大学は少ない。最近はロゴとかエンブレムとかを各大学がネットに開示しているので、それをダウンロートし、ワード加工し、レターヘッドとし、推薦状に使用することが多い。ただし、ロゴを使用するには教授か大学の許可が必要。なお、上記のロゴはサンプル。

       

    8. 出願する校数や書式や締切日や郵送期限や郵送方法など今後の段取りを相談する。通常、一覧表を作成して教授に渡す。


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  8. LSACへの送付方法を指示する
    LSACに推薦状を送ってもらう方法は(1)郵送か(2)アップロードかになる。教授の場合、パソコンが不得手という方もいて、郵送が多いが、若い教授の場合はアップロードしてくれることも多くなっている。なお、上司の場合は全員アップロードになる。


<推薦状について LSAC経由以外の場合>

 

Applicationの欄でも説明しましたが、 願書を提出するにあたり上位校の中でHarvardはLSACを利用を利用していません。

 

Harvard

 

HarvardはオンラインからでもPDFのPaperでも推薦状を提出することができます。詳細は受講生サイトでご覧になれます。

 

Jarvard Onlineの推薦状
 
PDF Paperの推薦状
HarvardOnlineEmbark   HarvardPDFrecom
     

 

 

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<推薦状の内容と形式>

 

推薦状の内容ですが、まず、推薦状作成依頼用紙(Letter of Recommendation Form)のDirectionsを熟読しましょう。

 

LSAC (PDFの推薦状依頼用紙から抜粋)

 

The person named above is applying for admission to the graduate LLM or other comparable advanced law degree program of one or more participating law schools and is requesting that you provide a letter of recommendation. Law schools view such letters as critical parts of their overall evaluation of each applicant, and we appreciate your willingness to participate. In writing your letter, please provide a frank assessment of the applicant’s academic abilities and suitability for graduate legal studies. In doing this, it can be very helpful to include information on or an assessment of the following: how well you know the applicant and in what capacity; the overall quality of the applicant’s academic record; the applicant’s oral and writing skills; the applicant’s maturity, character, and leadership ability; the applicant’s capacity for innovative or creative thinking; attributes that distinguish the applicant from other promising contemporaries; the applicant’s career aspirations, and the likelihood of the applicant achieving those aspirations; the applicant’s professional achievements and potential, if applicable; and the applicant’s fluency in written and spoken English, if applicable.

 

推薦者へのDirectionsを読むと「何」を「どう」書いて欲しいのか見当が付くと思います。

 

注意しなければならないのは、Personal Statement(PS)に書いたこととLetter of Recommendation(LOR)に書いてあることに齟齬です。PSには、必ず、「私は大学当時山田太郎教授の民事訴訟法のゼミで〜」といったAcademic Backgroundを記したパラグラフや「最初に扱った国際案件は日本の大手通信企業が米国の企業を買収でした。その案件は独禁法の〜に問題があり〜」などのようなProfessional Backgroundを含んだパラグラフがあります。PSで言ったこととLORで言ったことが違うという訳にはいかないのです。

 

カウンセリングの指導で説明したように、履歴の棚卸→PS→LOR→CVの順でドラフトを作るのは、それらの齟齬を回避するためです。

 

具体的な推薦状の書いてもらい方、必要なパラグラフ、LL.M.の推薦状で必ず押さえなければならないポイントなどをカウンセラーが最初に説明をします。

 

文責:岩崎 無料カウンセリング Top↑

 

 

 

追記

 

入学審査における推薦状の重要性

 

推薦状の重要性は日本の教育制度で大学進学した人には、なかなか納得できないと思います。日本人の高校生が学校からの推薦状をもらうのは推薦入学や学校推薦の時ぐらいですからね。

 

例えば、Harvard Collegeに出願するときは2通の推薦状が必要で、Dean of Admissions & Financial Aida, Harvard CollegeのWilliam R. FitzsimmonsはNew York TimesのインタビューにFaced with more academically qualified applicants than places in the freshman class, our admission officers review the two required teacher recommendations and the counselor report with great care, often commenting on them in writing on “reader sheets” in each application. We often project the recommendations themselves onto large screens so that all members of the Admissions Committee can see them during the subcommittee and full committee review processes in February and March. [ 出典link ]

 

ですから、欧米人は高校生の時から推薦状の重要性を知っており、かつ、誰にどういう内容で書いてもらうなどのポイントを熟知しています。

 

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